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laws of testing crimes

西アフリカのある社会ではエゼレ(カラバル豆)を用いて裁判(試罪)が行われていた。嘔吐作用を利用した心理的判断、つまり無実の人は一気に飲み、有実の人は注意深く飲む。カラバル豆の主要成分はphysostigmineである。作用機序はアセチルコリン分解酵素のacetylcholinesteraseの阻害である。


エゼレ

エフィク(西アフリカ、カラバル海岸)の住民達がカラバル豆(現地ではエゼレ)のエキスを試罪法に使っているのを最初に目撃した。
『宣告を受けたものは何滴かの液体を飲まされた後に歩かされた。一定時間がすぎ、被告が毒物を胃から吐き出した時には無罪放免となった。』
ウィリアム・ダニエル(イギリスの宣教師、1840年ごろ)
 
エフィクの人々はエゼレに魔法力をみる。容疑者は豆8つ分の粉を水で飲まされる。有罪ならば唇が震え、鼻汁をたらす。無罪は右手を上げ、毒を吐出すると証明される。無罪確定後、毒が残っている場合、女性の性器を洗った水に糞を混ぜたものを与える。 ドナルド・シモンズ(人類学者、1956年)
 
動物実験から呼吸困難による死を観察し、次は自分自身に試した。種子の四分の一(約0.7グラム)で軽い眩暈から急にひどくなり、側にあった髭剃り用の水を飲んだ。意識はあるが脈は衰弱していた。食べてから2時間後に眠りについた。目覚めた時には心拍は弱く、コーヒーを飲んで心臓は通常に戻った。 ロバート・クリスチソン(1855年)
 
死因は少量のエゼレの場合、脊髄神経に作用し、呼吸筋の麻痺による。大量の場合、心臓に作用し、心機能が停止する。種子のエキスを眼に滴下すると、流涙促進、瞳孔収縮が5分くらいの間に生じる。(アトロピンの作用の逆) トーマス・フレーザー(クリスチソンの助手)


physostigmine

カラバル豆の主要成分(フィゾスチグミン)を単離した。 ジョブストとヘッセ(1864年)
 
フィゾスチグミンが眼内圧力を下げると考え、緑内障治療に用いた。 ルートウィヒ・ラクール(1875年)
 
フィゾスチグミンは局部神経遮断後も瞳孔を収縮させ、神経を退化させるとその作用が消失する。(通常神経末端からの神経伝達化学物質の放出、フィゾスチグミンが放出に影響することの暗示) アンダーソン(1906年)
 
アセチルコリンの存在とその酵素分解による短い生体内寿命(ノーベル賞、1936年) ヘンリー・デール(イギリス)、オット・レウイ(オーストリア)
 
フィゾスチグミンや筋力を緊張させる作用のある薬物が筋無力症の治療に役立つであろう。 フレデリック・ジョリイ(1894年)
 
筋無力症の症状(バックを持てず、ひざまずこうとすると首が垂れる)の患者は26回のフィゾスチグミン注射で著しく回復した。 メリー・ウォーカー(1934年)


acetylcholinesterase

顕著で不可逆的(フィゾスチグミンは可逆的)なアセチルコリンエステラーゼ(アセチルコリン分解酵素)阻害作用のある有機燐化合物が合成された。(神経性毒ガスとしての利用) I・Gファルベン(ドイツの化学会社、1930年代半ば)



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