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アルカロイド(alkaloide)は、1818年ドイツの薬剤師K.F.Meissnerによって考案された言葉。
アルカリ(alkali)様のもの(oid)という造語。
以来、『植物由来の含窒素化合物で塩基性を示し、生理活性の著しいもの』という定義に基づき、
化学・薬学・医学・農学等の分野で拡張されてきた化合物群。
一例として、
アコニチン(トリカブト属,1833年)・アトロピン(ベラドンナ,1833年)・エフェドリン(麻黄,1887年)
カフェイン(茶,1820年)・キニーネ(キナの木,1820年)・コカイン(こかの木,1860年)
ニコチン(タバコ,1828年)・モルヒネ(ケシ,1805(6)年)・レセルピン(インド蛇木,1952年)
がある。
上記の化合物からだけでも、アルカロイドは人の生活に深く根ざしている。
アルカロイドは“含窒素”化合物で、
人の体内に存在する生理活性物質(L-DOPA,(-)-epinephrineなど)も
“含窒素”が多いので、アルカロイドは人間に影響する。
人の体内の“生理活性認識部位”が(外からの)アルカロイドを
“間違えて”認識することによって、
本来の生理活性物質の作用の相似的効果が生み出される。
実際に医薬品として応用されている含窒素(分子中に窒素を含む)化合物は
“非”含窒素化合物と比較して圧倒的に利用度が高い。
人とアルカロイドの接点を振り返ると、
古代エジプト(紀元前1500〜2000年ごろ)のパピルスにおいて、
モルヒネ(アヘン)、(‐)‐ヒヨスチアミン(ヒヨス)、コルヒチン(コルチカム)などが記載されている。
紀元前1500年ごろより、フェニキア人はインジゴの類似体、6,6'‐ジブロモインジゴを
染料として使っていた。
この化合物は貝紫(古代紫、巻貝の一種)から採取され、この色素(紫)は
もっとも高貴な色とされた。
クレオパトラの船の帆はこの色に染められていたらしい。
ソクラテス(紀元前470〜399)は毒人参で処刑された。
この人参の主要な毒成分はコニインである。
古代ギリシャでは罪人の処刑に、これを用いている。
東洋ではトリカブト属塊茎にあるアコニチン(附子)がさまざまな物語にあらわれる。
狂言の『附子』が有名。
中国では医療が体系化(漢方)し、それに応じて天然物(生薬)の情報も充実した。
総じて、世界中で地域ごとのアルカロイドに関する知識が培われてきた。
つまり、植物における有用な特定の部位(果実、根など)を
採取、保存、調製、するという知恵を身につけた。
近代に入ると、
従来の植物の作用を奇蹟・神秘、つまり神の力、としてとらえる事に
疑問を感じる人が現われはじめた。
並行して唯物論・無神論・現実主義等が台頭しはじめ、
その影響で大いに科学が発展する。
アルカロイド、つまり化学(有機化学)とその周辺の分野もこの流れの中から誕生する。
ここでは、化学物質、基原生物、科名ごとにアルカロイドを探求する。
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